オーロラの歌



本当に、私達には関係のないこと?


確かに、ここはルシフェル王国じゃないし、あっちの世界とは違う。


イービルは女王の座には即いてはいなくて、実際に困っているのは前世を思い出した私達だけ。


だけど、イービルの闇が運命を阻んでいるのに、オーロラ達の思いを託されたのに、それでも前世の後悔や悲しみを放っておくの?



私は、今度こそ救いたい。


狂い狂った、運命を。


自分自身を。仲間を。


そして、イービルを。



「椎本くんだって、イービルに殺されるかもしれないんだよ!?」


「自分の命くらい、自分で守れる」


「一人じゃ危険だよ!」



私、嬉しかったんだ。


また仲間に会えて。


椎本くんは、嬉しくなかった?


椎本くんが授業をサボってまで助けてくれたのは、ただ私の正体を確認したかったから?


きっと、違う。


ラジの魂に、動かされたんでしょ?


私は、ラジのことも椎本くんのことも、信じてる。


ううん、信じたいんだ。



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