オーロラの歌




「心配?……わかりやすい嘘つくんじゃねぇよ」



嘘なんかじゃ、ない。


どうしたら、伝わるの?


さまざまな感情が、フツフツと湧き上がる。



「前世とはいえ仲間だった人に突き放されたら、心配するに決まってるでしょうが!!」



いてもたってもいられなくなって、叫んでしまった。


ひねくれた捉え方なんてしないでよ。


真正面から、私の想いを受け取ってほしいんだ。



「お、俺はてっきり、自分を守る盾が欲しくて仲間にしたがってるんだと思ってたぜ」



椎本くんは若干うろたえながら、嘲笑を浮かべる。


私が、椎本くんを盾に?


……そんなことしない。


ラジはオーロラを守るために、オーロラと一緒にいた。


だから、椎本くんはそう思ったのかもしれないけど。


私に、盾は必要ない。



「私は、椎本くんに守ってほしいって言っているわけじゃないよ」



私は、私らしく立ち向かいたい。


同じ目的を持った、仲間と共に。



「一緒に闘おう、って言ってるの」




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