オーロラの歌
嘘、でしょ。
涙が目尻に溜まる。
私はこの魔法の恐ろしさを知っている。
有無を言わさず悪夢を見せられ、しまいには死にたくなってしまう、最悪な魔法だ。
どうしようもない孤独感で、いっぱいになるんだ。
「ごめんね、利一くん」
私を庇ったせいで、利一くんは今辛い思いをしている。
利一くんの優しさが、胸をえぐった。
『私が行動することで何かが変わるなら、どんなことだってやりたいの』
オーロラの真っ直ぐな覚悟が、脳裏に過ぎった。
涙ぐんだ視界で、利一くんのいる狭い檻を見据える。
私の中にある、運命に抗う覚悟も、残酷な魔の手に負けない勇気も、全部全部力に変えて。
闘わなくちゃ。
立ち上がって、すぅ、と喉の奥まで息を吸い込んだ。
目を閉じて、想いを刻む。
……私も、どんなことだってやって、恩返しがしたい。
利一くんを救いたい。
どうか、利一くんに温かな光を贈ることができますように。
「♪~~もしも笑えなくなって 君が苦しいと叫んだら 星達と共に歌を紡ぐよ~~♪」
そして私は、いやしの歌の能力を受け継いで初めて、アンジェラスがオーロラのために作った、“あいのうた”を歌った。