オーロラの歌
いじめっ子が、硬直する僕の髪をグイッと引っ張った。
『この髪も、その目も、全部化け物みたいでキモイんだよ!』
化け物呼ばわりされ、心を粉々に砕かれた。
友達に助けを求めたが、見て見ぬ振りをされてしまった。
僕は、おかしいの?
僕をいじめるあいつが、正しいの?
現実は僕を徹底的に追い詰め、色を失くしていった。
しばらくして、いじめに気づいた幼稚園の先生が、半ば強引にいじめっ子を止めた。
いじめられた僕を慰めながら、いじめっ子を叱る。
先生がどれだけ仲直りをするように言っても、いじめっ子は僕に謝りはしなかった。
僕も、仲直りをする余裕はなかった。
絶望を味わった僕を支えてくれたのは、他でもない両親だった。
家に帰ると、先生にいじめの件を聞かされた両親が、僕をギュッと抱きしめた。
心に数え切れないくらい傷を負った僕の、冷え切った体温を、両親が温める。
じわり、と涙が溢れた。
『僕、気持ち悪いんだって』
無意識に、弱音を漏らしていた。