オーロラの歌
グダグダ悩まなくても、ただ僕の気持ちを言えば、それでよかったんだ。
『これからよろしくね、利一』
『うん、よろしく』
僕は、唯夏ちゃんの手に自分の手を重ねて、握り締めた。
そして僕と唯夏ちゃんは、友達になったんだ。
それから、唯夏ちゃんは僕がいじめっ子に絡まれると、すぐに助けてくれるようになった。
僕を遠ざけていた人達も、僕に話しかけてくれるようになり、楽しい日々が戻ってきた。
『利一はさ、後悔しないの?』
いじめが少なくなっていったある日。
唯夏ちゃんと遊具で遊んでいたら、唯夏ちゃんが突然問いかけてきた。
『後悔?』
『うじうじしてばっかりいてさ、あの時ああすればよかったなあ、って思わないの?』
唯夏ちゃんにとっては、たまたま思いついた、どうでもいい質問だったのかもしれない。
しかし、僕にはその質問が、心にズシンッと重くのしかかった。