オーロラの歌
力が抜けて、座り込む。
あんなの幻覚だ。
これは、悪夢だ。
そう思い込もうとしても、震えを止められなかった。
「……もう、やだよ」
独りぼっちは、嫌だ。
こんなところにいたくない。
皆のいるところへ、帰りたい。
なのに、帰り方がわからないんだ。
僕を取り巻く闇が、死へと誘う。
「誰か、」
助けて、と呟きかけた僕に、一筋の光が差した。
それに導かれるように、真っ黒な世界に入り込んだひとつの光に向かって、走っていた。
「♪~~もしも笑えなくなって 君が苦しいと叫んだら 星達と共に歌を紡ぐよ~~♪」
光から聴こえてくる、切なくて愛おしい歌声。
この声は、琉美先輩……?