オーロラの歌
せっちゃんの隣にいると、なぜか安心する。
昔から一緒にいるからだろうか。
「ねぇ、せっちゃん」
せっちゃんに声をかけても、返事をしてくれないのは想定の範囲内だ。
私はそのまま話し続ける。
「ちょっと聞いてよ」
「嫌だ」
「いいから、聞いて!」
せっちゃん相手だと、子どもみたいにわがままを言って、愚痴をこぼしてしまう。
きっと、辛辣なせっちゃんに、自分の甘えた根性を叩き直してほしいんだと思う。
「私を嫌ってる人がいて、その人は私を傷つけたがってるんだけど、関係ない人を巻き込んじゃったの。ひどくない!?」
ひと呼吸で一気に早口で話したら、なんだかスッキリした。
イービルって、最低すぎる。
私を殺したくても、関係ない第三者のいるところで私を襲わなくてもいいじゃん。
あとちょっとで利一くんが死ぬところだったんだよ?
狙いがオーロラやオーロラの仲間なら、関係ない人のいない場所で闘いたい。
それなら、とことん相手をしてあげられるし。