オーロラの歌
――キーンコーンカーンコーン。
二時間目が始まるチャイムが、校内全体に鳴り渡った。
私が佳那に詳しく聞こうとする前に、佳那は上機嫌に自分の席に着いた。
さっきの、なんだったんだろう。
不思議に思いながら、私も渋々席に座った。
二時間目は、英語。
CDから流れる長文に、思わず眠ってしまいそうになる。
ふと、教科書の端っこにある挿絵に、目が止まった。
挿絵には小さな子どもが花を摘んでいる場面が描かれていて、ほのぼのとして癒される。
なんだか思い出すなぁ。
オーロラとシエルの出会いを。
可愛らしい花の冠をもらったんだっけ。
「ふふっ」
おっと、いけない。
つい表情筋がゆるゆるになってしまった。
ハッとして、顔を引き締める。