オーロラの歌



俺には、恋なんてできないと思っていた。


誰に告られても、心に響かなくて。


どんなに「好き」と言われても、何も感じなくて。


恋愛に幾度となく迷惑をかけられてきたこの俺が、誰かを好きになれる日は来ないのだろうと、本気で思っていた。



でも、今。


俺は確かに、想ったんだ。


この出会いは、運命だと。





その日の夜。


急に悪くなった天候なんて気にせず、今朝の子のことで頭がいっぱいだった。


初めての気持ちに戸惑いながら、眠りにつく。



真夜中零時、雷鳴が轟いた。


街中にいくつもの雷が落ちる。


その中のひとつが、俺の元に降ってきた。


眩い閃光が、俺を覆っていった。




滅多に夢を見ない俺の意識の深い場所で、真っ白な世界が創られる。


突然、その世界に映像が流れた。


映像が映し出すのは、エメラルドグリーンの短い髪をした少女達の、過酷な大冒険。



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