オーロラの歌






目覚めは、最悪だった。


大切な人を……オーロラを助けられたのに、本当の意味で守りきれなかった後悔が、俺の心臓をえぐった。


イービルの復讐が、始まろうとしている。


そんな、危機感と警戒心が、俺の周りに張り巡らされた。



オーロラは、近くにいるのだろうか。


ラジやグリンも、転生させられているのだろうか。


イービルも、オーロラのそばで、憎しみの炎を燃やしているのだろうか。



疑問ばかりが生まれて、絡まって。


胃に穴があきそうなくらい、オーロラのことが心配になった。


イービルがオーロラの仲間共々殺そうとしていても、俺はオーロラが無事ならそれでいい。


オーロラを守りたい。


今度こそ、オーロラと生きたい。


シエルの想いが乗り移ったみたいに、そう思った。




前世を思い出した、二日目のこと。


俺は前世のことを考えすぎて貧血気味になり、昼休み後から誰もいない保健室のベットを借りて、休んでいた。



< 668 / 888 >

この作品をシェア

pagetop