オーロラの歌
目覚めは、最悪だった。
大切な人を……オーロラを助けられたのに、本当の意味で守りきれなかった後悔が、俺の心臓をえぐった。
イービルの復讐が、始まろうとしている。
そんな、危機感と警戒心が、俺の周りに張り巡らされた。
オーロラは、近くにいるのだろうか。
ラジやグリンも、転生させられているのだろうか。
イービルも、オーロラのそばで、憎しみの炎を燃やしているのだろうか。
疑問ばかりが生まれて、絡まって。
胃に穴があきそうなくらい、オーロラのことが心配になった。
イービルがオーロラの仲間共々殺そうとしていても、俺はオーロラが無事ならそれでいい。
オーロラを守りたい。
今度こそ、オーロラと生きたい。
シエルの想いが乗り移ったみたいに、そう思った。
前世を思い出した、二日目のこと。
俺は前世のことを考えすぎて貧血気味になり、昼休み後から誰もいない保健室のベットを借りて、休んでいた。