オーロラの歌



狭い視界が捉えた、琉美ちゃんの息を吸い込む姿。


刻むように脈を打ち、叫ぶように全身が痺れて。


琉美ちゃんが目を伏せると同時に、息を呑んだ。




『♪~~もしも笑えなくなって 君が苦しいと叫んだら 星達と共に歌を紡ぐよ~~♪』




瞳に、涙の膜が張る。


やっぱり、俺が君に出会ったのは運命だったんだ。


理屈や理由や論理の及ばない、深い繋がりが俺と君を出会わせた。



一目惚れしたのも


君のそばにいたいと想ったのも


俺がシエルで、君がオーロラなのも


きっと、必然。



懐かしいメロディに、泣きそうになる。


今すぐ飛び出して、抱きしめたい。


だけど、こんなだらしない顔じゃ、会いに行けないな。



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