オーロラの歌



ありあまる感謝を伝えたい相手というのは、椎本くんと江藤先輩と利一くんだ。


私を守ってくれた三人に対して、「ありがとう」という言葉だけでは、この気持ちは収まりきらない。



「うーん、そうだなあ。やっぱり、何かプレゼントするのがいいと思うよ」



佳那のアイデアに、賛成する。


プレゼントか!いいかもしれない!



「でも、何を?」


「助けてくれる人って、男?女?」


「男子だよ」


「じゃあ、手作りスイーツとかが喜ばれるんじゃない?」



手作りスイーツ!?


うまく作れるか不安だなぁ。


悩む素振りを見せる私に、佳那は明るく微笑む。



「おすすめは、クッキーだよ」


「私にも作れるかな?」


「簡単だから、きっと作れるよ!」



佳那に励まされ、勇気が湧いてきた。


こういう時、友達の有り難みをしみじみと感じる。



「うん、頑張ってみる」


「あたしも応援してるよ」


「ありがとう、佳那」



佳那がいてくれて、よかった。


そうだ。佳那にも、クッキーをあげよう。


美味しく作れたらいいな。



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