オーロラの歌
「あ、あたしそろそろ帰らなきゃ。おつかい頼まれてたんだった」
佳那は時計を見て、立ち上がった。
用事があったのに、相談に乗ってくれてたんだ。
「バイバイ、琉美」
「本当にありがとね、佳那。また明日ね」
別れの挨拶を返すと、佳那は教室を出て行った。
夕日が、眩しいくらい教室を照らしている。
私は日誌を書き終えて、日直の仕事を全てやったかチェックする。
窓の戸締りよし、黒板よし、日誌もよし。
確認し終えた私は、カバンを持って教室を出た。
帰ったら、早速レシピを調べて、クッキー作ろうっと。
お兄ちゃんがクッキーを欲しがったら、焦げたのとか失敗作とかをあげようかな。
お兄ちゃんへの対応なんて、このくらい雑でいいよね。
そんなことを考えていたら、職員室に到着した。
軽快にノックをして、職員室に入る。