オーロラの歌



職員室の奥の方にいるサエちゃんに、日誌を渡した。



「ご苦労様」



サエちゃんは日誌の私が記したページを見ながら、私に労りの言葉をかけた。


サエちゃんって、何をしても絵になるなぁ。



「小倉さん、小倉さん。話聞いてる?」


「えっ、あ、す、すみません」



つい、サエちゃんを凝視しすぎてた……。


恥ずかしさのあまり、俯いてしまう。



「小倉さん、大丈夫?」


「……え?」



下に落とした視界の隅に、心配そうなサエちゃんが映る。


なんで、サエちゃんはそんな表情をしているの?



「ちょっと前から、雰囲気が変わったわよね?」


「そ、そんなことないですよ」


「いーえ、私の目はごまかせないわよ」



サエちゃんにそう強く言われ、口をつぐんだ。


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