オーロラの歌
心臓が勝手にかき乱れて、自分自身をコントロールできなくて。
涙が、浮かんだ。
「ハッ」
椎本くんの嘲笑う声で、ようやく我に返る。
二人きりの階段が、やけに広く感じた。
「バカバカしい」
ボソッと呟いた椎本くんは、また私に背を向けた。
「あぁ、そうだな。俺はラジみたいに優しくねぇよ」
自虐的な発言をされ、心臓に深い深い傷がつく。
私は、なんてひどいことを言ってしまったんだろう。
苦しさが、歪んだ顔に溢れていた。
視界がボヤけ出すと、椎本くんは再び歩き出して去っていった。
椎本くん、ごめんね。
傷つけて、ごめん。
私、最低だ。