オーロラの歌



俺の力のみでできることは、他人に頼らずにやる。


その意識がだんだんと定着していき、意識は癖に、癖は性格に、変わっていった。



それから、一人で何でもそつなくやってしまう俺を、友達が頼るようになった。



『れ・い・じ』


『……なんだよ』


『宿題見せてくれ!頼む!』



友達の必死さに、俺は渋々『今回だけだからな』と言って宿題を見せてあげた。


こういうのは時々ある。


仕方ない。


俺にだって、親切心くらいある。


それに、頼られて嬉しかったし。



この時は、そう軽く考えていた。


だが、その考えは徐々に崩壊していくことになる。




ある日、家庭科の授業で郷土料理を作る実習が行われた。


俺は、よく一緒にいる友達四人とグループになった。



『おぉ、怜司って料理うまいな』




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