オーロラの歌



一人が声を上げれば、他の作業をしていた三人が俺の手慣れた手つきを見て、褒めてくる。



『うわっ、ほんとだ。すげぇ』


『そうか?普通だろ』



嫌な気はしなくて、ついニヤけそうになり、口を真一文字に結んだ。


料理はいつもしているから、得意だった。


包丁を持って千切りを自慢げに披露したら、さらに友達は盛り上がった。



『もうさ、怜司一人で作ったらいいんじゃね?』


『確かに!』


『その方が出来も良くて、なおかつ速ぇかもな』


『俺らは、洗い物でもして待ってるか』



……は?


友達の会話に、眉をひそめた。



『じゃ、そういうことで』



いや、待てよ。



『よろしくな、怜司』


『頼んだぞ』



待てって。



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