オーロラの歌



事実を、捻じ曲げやがった。


俺がいつ、んなこと言ったよ?


お前ら、一回耳鼻科に行った方がいいんじゃねぇのか?


友達四人の、汚濁した眼差しが俺を貫く。


まるで、俺を脅しているような目だ。



『そうなの?椎本くん』



……何もかも、どうでもいいや。



『はい、そうです』



自暴自棄になって、ポツリと返事した。


友達が悪気のなさそうな笑みが、なぜか不気味に見えた。


なんの感情も、持てなかった。



その日から、友達は以前よりさらに、俺に頼りきりになっていった。


ぶっちゃけ、しんどかった。


気持ち悪かった。


吐き気が、した。



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