オーロラの歌




『怜司~、いつもの見せて』



いつもいつも、うぜぇんだよ。


たまには真面目にやれよ。


内心罵倒しながら、宿題を渡した。



『なあ、掃除当番代わってくんね?』



この前も代わってやったじゃねぇか。


断るのも面倒で、ため息混じりに了解した。



『学年で一番可愛いあの子が、お前に告白するらしいじゃん。もちろん、断るよな?』



脅迫なんかしなくても、最初からそのつもりだっつの。


苛立ちとストレスばかりが、積もっていく。



『このステージ、いくらやってもクリアできねぇんだよ。怜司ならできるって信じてるぜ!』



無責任なこと言うなよな。


俺は、ゲームしない主義だって知ってるだろ?


優しさとは何なのか、日が経つにつれ、わからなくなっていった。



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