オーロラの歌
真夜中まで起きていた俺の意識に、突然不思議な雷が落ちてきた。
痛みはなく、ただただ衝撃に驚いた。
『♪~~ありがとうって微笑む 嬉しくて仕方ないんだ 君のそばにいさせてよ~~♪』
懐かしい歌に引き寄せられて、瞼が下がっていく。
その歌声をこもり唄に眠った俺を、雷の余韻が包んでいった。
煌めかしい閃光の真ん中に、丸い円型の抜け穴みたいなものが、ぽっかりと空いた。
そこに、森のような場所が映った。
『誰、なの……?』
『俺の名前は、ラジ』
とある少女ととある少年の出会いに、他人であるはずの俺の胸が高鳴った。
ラジ?
俺は少女と少年を、その名前を、知っている。
『俺、お前と出会えてよかった』