オーロラの歌



場面が森から、ラジの故郷に変わった。


……あれ?


どうして、俺はこの近代的な街が、ラジの故郷ってわかったんだろう。



『これで、ラジが犯人ではないことを、信じてもらえますか?』



どうしようもなく、泣きたくなった。


そうだ、俺は。



『そしたらラジが、グリンが、シエルが……皆が、新しいルシフェル王国を築き上げてね』



俺は、旅をしていた。


俺は、あいつを……オーロラを守りたかった。


俺は、オーロラと一緒にいたかった。



『その歌を聴いてたら、オーロラに会いたくなって、ここに来ちまった』



俺は、ラジだ。



『私がいなくなっても、どうか笑っていて』



嫌だ、嫌だ、嫌だ。


どこにもいくなよ。



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