オーロラの歌




『ねぇ、一緒に闘おうよ』


『お前の意思を俺に押し付けんな』



もう二度と、誰かとつるむ気はなかった。


辛い思いをしたくなかった。


冷たく接すれば、前世の共有者同士だとしても、関わってこないだろうと思っていた。


だが、小倉は俺を『ラジ』と呼んで、話しかけてきた。


予想外で、戸惑った。



『前世とはいえ仲間だった人に突き放されたら、心配するに決まってるでしょうが!!』


『お、俺はてっきり、自分を守る盾が欲しくて仲間にしたがってるんだと思ってたぜ』


『私は、椎本くんに守ってほしいって言っているわけじゃないよ』



俺は、ずっと孤独だった。


誰にも頼らなくたって生きていける。


それくらい、強くなったんだ。


これからも孤独のままなんだと、それがいいと、ひとりきりの生活に満足していた。


だから、友達とか仲間とか、そんなものは要らなかった。



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