オーロラの歌




前世の記憶が、固く閉ざした心の扉を叩いて。


小倉の存在が、冷たい壁を少しずつ壊して。


訴えかけられた意思は、俺に光を贈って。


ラジの想いに、侵食されていく。




「……きっと、」



小倉がオーロラだと、はっきりと確信する前から、そんな気がしていた。


自分から孤独になった俺が、小倉を助けてしまった時点で、わかっていた。



つまり、そういうことなんだろう、と。




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