オーロラの歌
あ、江藤先輩、クッキー食べてくれてる。
味どうかな?美味しいかな?
……って、今は味を気にしている場合じゃない。
椎本くんと江藤先輩の会話に集中しなくちゃ!
「最近、性格が変わった人とか、奇妙な行動をしていた人とかいませんでしたか?」
え?
それって、もしかして……。
「椎本くん!」
「な、なんで、お前がここに……?」
つい、物陰から出てきてしまった。
椎本くんの質問にびっくりしすぎて。
「今の質問って、イービルが誰かさ、ぐる……っ!?」
ハッとした椎本くんは、私のどでかい声を遮るように私の手首を掴んで、私を連れて颯爽とこの場を離れた。
残された江藤先輩は状況を理解し、意味深に目を細めた。