オーロラの歌
私はロープを引きちぎろうとしたけれど、屈強なロープになかなか切れ目は入らなかった。
ロープよりも先に、手がひりひりと痛み出し、ロープの繊維に血が滲む。
怜司くんは赤い血を見て、慌てて口を開いた。
「もうやめろ!」
「やめない!」
「やめろって!!」
私の手は、どうなってもいいの。
仲間を助けられるのなら。
「お前の力じゃ、何日かかっても切れねぇよ!」
「じゃあ、どうすればいいっていうの!?」
会話は、いつの間にか口喧嘩に発展した。
方法がこれしかない以上、私はやめないよ。
「俺のポケットからカッターを取れ」
「……え?」
怜司くんは一旦冷静になってから、そう言った。
カッター?