オーロラの歌
江藤先輩ってエスパー!?
それとも、考えてたことが顔に出てた?
「結局どうしたのか、答えを聞かせてほしいんだ」
ドクン……、と心臓が軋めく。
僕は視線を足元に転がした。
「一ヶ月も時間があったんだ。答えは出ているはずだ」
「……っ」
江藤先輩と初めて会ったのは、一ヶ月以上前だ。
それから随分と日にちが経った。
それでも僕は、答えを決められないでいた。
「そういえば、琉美ちゃんは?いないみたいだけど」
「ぷ、プールに行きました」
僕の返事を聞いて、よくわからなそうに眉を寄せた江藤先輩は、琉美先輩のバックからはみ出ている白い紙に気づいた。
躊躇なく白い紙を見た江藤先輩は、凍てついた目で僕を睨む。
「……久賀の答えは、わかったよ」
どういう、意味?
また、心臓が軋んだ。