オーロラの歌
僕は爪を元に戻し、琉美先輩の手を握り返す。
僕も、オーロラに会えて、琉美先輩に前世を明かせて、嬉しいです。
「もう一度、仲間になってくれる?」
泣き虫で弱虫で臆病で、何に対しても後ろ向きな僕だけど。
琉美先輩を守りたい気持ちは、グリンの悔しさを果たしたい気持ちは、記憶と能力を受け継いだ、始まりの日に心の中で開花していた。
敵も無関係も、嫌なんだ。
今度こそ、最初から味方でいたい。
「僕でよければ、喜んで」
僕が笑顔でそう言うと、琉美先輩は安心したのか気絶してしまった。
慌てて、琉美先輩を支える。
琉美先輩が望むなら、僕はどんなことだってやる。
祈っても無駄だというのなら、自分達の手で、この残酷な運命に終止符を打とう。
琉美先輩は、僕の希望だ。
壊されないように、色あせないように、二度と失うことのないように。
想いが届かなくたっていいから、そばにいたい。
そんな、大切すぎる存在。