オーロラの歌
眠っていた愛に囁こう
【駿side】
「江藤先輩!!」
保健医と優雅にティータイムをしていたら。
さっきプールへ飛び出して行った久賀が、琉美ちゃんをお姫様抱っこして、窓から戻ってきた。
通り雨が止んだ今、二人してずぶ濡れで。
一目で、異常事態だと察した俺は、思わず持っていたカップを落としそうになった。
「琉美ちゃん、どうしたの!?」
「プールの中で溺れかけてて、助けたら気絶して……」
久賀はもたつきながら、説明してくれた。
保健医に促され、琉美ちゃんを空いているベットに運ぶ。
「わしは、職員室に行ってこのことを双葉先生に連絡してくるから、二人とも小倉さんのことよろしく頼むぞ」
保健医はそう言うと、保健室を去った。
俺は琉美ちゃんが寝ているベットの脇にある椅子に座って、琉美ちゃんの様子を見る。
顔色も悪いし、冷たい。
着替えさせたいけど俺にはできないから、できるだけ水を拭き取って、毛布をかけた。