オーロラの歌
ペコリと頭を下げた久賀は、自己紹介を続ける。
「それと、僕の前世はグリンなんです。えっと、おひさ……」
「えっ、グリン!?」
お久し振りです、と言おうとした久賀の言葉を遮って、椎本が驚きの声を上げる。
まあ、驚くのも無理はない。
前世と現世じゃ、キャラ違いすぎるし。
……あ、それは、俺も一緒か。
「は、はは、はひ、グリンでふ」
久賀は、いきなりの大声にビビってしまったようで、盛大に噛んだ。
あっちの世界では相性最悪だったこいつらが、こっちの世界ではどんな化学反応を起こすのだろうか。
信じられなさそうに瞬きをした椎本は、深呼吸をして、平常心を回復させた。
「俺は、二年の椎本怜司。前世はラジだ」
「これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく」
上司と部下みたいだな、この二人。
もしかしたら、前世とは別の意味で相性良くないのかもな。