オーロラの歌
江藤先輩が、真っ直ぐに私を見つめる。
「嫌がってる奴を頼るのと、仲間を頼るのとじゃ全然違う。俺達は心の底から、琉美ちゃんに頼ってほしいんだ」
「だけど……」
「俺達に、琉美ちゃんを守らせてよ」
仲間って、不思議。
つい、頼ってしまいたくなる。
ううん、とっくに頼ってるから、足掻こうとしてるんだ。
「私も、皆に頼ってもらいたいけど、無力で何もできなくて……」
「なんで、気づかねぇんだよ」
怜司くんが、私の声にわざとかぶせて言い放った。
私の瞳に映る三人は、皆同じ表情をしていた。
辛そうで、切なそうで。
けれど、とてもあったかい。
「お前は、無力なんかじゃねぇよ」
「え?」
「お前がそばにいてくれるだけで、俺達は強くなれるんだ」
涙が、溢れてきた。