オーロラの歌



熱があるとわかった途端、寒さを熱さが超越した。


だるいのは、熱があるからだったんだ。


頭がクラクラしてきて、感覚がふわふわしてきて。


別次元に飛ばされてしまったかのよう。



それから、保健医がお母さんと共に保健室に来て。


私はお母さんと、今すぐに帰ることになった。


私を助けた際に竹刀も取ってきてくれた利一くんにお礼を言って、カバンを持って皆と別れる。


お母さんの車の中で、車窓から帰り道を目で追ってみたけど、せっちゃんの姿はなかった。






木・金・土・日の四日間、十分に休んだ私の元気度はMAXに達し、いつもの調子を取り戻した。


そして、月曜日。


少し早目に家を出て、竹刀を片手に、大きな桜の木の前を通り、学校へ行く。


校舎に入って、靴を履き替えて。


教室には向かわずに生徒玄関で、せっちゃんが登校してくるのを待っていた。



せっちゃんに、聞きたいんだ。


本当にせっちゃんがイービルなのか。


イービルだったら、決着をつけなくちゃ。



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