オーロラの歌
もう、動揺したりしない。
隙なんて見せない。
この前みたいな失態もしない。
託された使命を全うするために、立ち向かう。
最初から、やるべきことは明確だった。
「琉美ちゃん、おはよ」
「江藤先輩、おはよう!」
「元気になったみたいだね」
「はい、おかげさまで」
せっちゃんよりも先に、江藤先輩が登校してきた。
今日はちょっとアレンジを加えた髪型をした江藤先輩に、周囲の女子はメロメロだ。
「何してるの?」
「せっちゃんを待ってるんです」
「せっちゃん?」
「六沢芹っていう、私のいとこです」
「あぁ、六沢のことか」
江藤先輩とせっちゃんは、同じクラスらしい。