オーロラの歌
ちょっと佳那、私に全体重を預けないでくれる!?
私、これでも病み上がりなんですけど!
「朝から、イチャついてますねぇ」
「イチャついてなーい!」
私におんぶされている状態でからかってきた佳那を、無理やり引き剥がした。
ニヤニヤしていた佳那は、私の手にある竹刀に視線を移す。
「また、竹刀持ってきたの?」
「何があるかわからないからねっ」
「なに?事件にでも巻き込まれてるわけ?」
おちょくってきた佳那に、私はいたずらにベーッと舌を出す。
そんな私をなだめるように肩を二度軽く叩いた佳那は、「気をつけてね~」と冗談混じりに言って、先に教室に行った。
「面白い子だよね、あの子」
「毎日一緒にいても飽きないですよ」
「ははっ、そうなんだ」
前世では、女の子の友達はいなかった。
だからかな。
佳那がいると、私は私なんだって再確認できるのは。