オーロラの歌
俺の思いとは真逆に、洗脳魔法が働く。
気づけば、琉美の隣で歩いていた。
『ちょっと聞いてよ』
『嫌だ』
『いいから、聞いて!』
わがままな琉美に、俺は内心ホッとする。
大丈夫だ、怪しまれてない。
いつもの俺らしく、いられている。
『私を嫌ってる人がいて、その人は私を傷つけたがってるんだけど、関係ない人を巻き込んじゃったの。ひどくない!?』
琉美は、早口で愚痴を言った。
もしかしなくても、「嫌ってる人」ってイービルのことだよな?
なんで俺にそんな話するんだよ!
前世の話題は無いと思ってた俺は、ため息をついた。
どう返そうか迷っていても、イービルの命令が過ぎる頭に、言葉が勝手に羅列する。
『案外、関係ないって思っていても、そいつも関係あるのかもしれねぇぞ』