オーロラの歌



俺の正体を気づかれたくないのに、どこかで気づいてほしいと望んでいて。


正反対に見えて、実はひとつの感情がまとわりつく。



『まあ、結局はお前の行動次第ってことだ』



洗脳が生み出した言葉が、俺自身に響いた。


……そうだ。


全ては、自分次第。



自分を見失いたくなくて、支えを探そうとしていたけど。


そんなのしなくても、すぐそばにあったじゃないか。


俺は、琉美を守りたい。


無効化できなくたって、跳ね返せなくたって、ボロボロになったって、俺の心はちゃんとここに在る。



琉美が生きている未来が、必ず訪れる。


ただひたすらに、そう信じていよう。






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