オーロラの歌
言い放った後で、我に返って後悔した。
違う。
違うんだ。
そんなことが言いたかったんじゃない。
俺は、るんちゃんと楽しく喋りたかっただけなんだ。
『……ひどいよ』
るんちゃんのつぶらな瞳に、大粒の涙が溜まる。
グサリ、と心臓にナイフが刺されたようだった。
『せっちゃんのバカ!!』
るんちゃんに枕を投げられ、咄嗟にキャッチする。
泣き喚くるんちゃんにごめんって言いたいのに、声が出なくて。
拳を強く握り締める。
俺がるんちゃんを泣かせて、どうすんだよ。
俺は、るんちゃんの笑顔が見たいのに。
『もう出てって!』
るんちゃんに拒絶されて、胸が痛かった。
いつもは喧嘩をしても、るんちゃんが謝るか、明日になったら忘れてるかのどちらかで。
大泣きされるようなことは、一度もなかった。