オーロラの歌
恐竜のおもちゃの目が、俺をじっと見ていた。
『喧嘩なんてしたくなかったし、るんちゃんを泣かせたくなかった』
るんちゃんなら、いつか“普通”になれる。
俺には何もできねぇけど、応援してる。
俺なんかでよければ、るんちゃんの暇つぶしに付き合ってやる。
『本当にごめん』
なあ、るんちゃん。
もし、もしも。
『るんちゃん、許してくれるか?』
笑ってくれたら。
仲直りしてくれたら。
俺の毒を受け入れてくれる?
『また、るんちゃんに会いに行ってもいい?』
『いいよ』
『…………え?』
今、恐竜のおもちゃが喋った?