オーロラの歌
るんちゃんの声色が、柔らかくなる。
『せっちゃんの毒には、愛があったんだね』
るんちゃんは、俺が謝る練習をしたところを初めからこっそり聞いていた。
そして、俺が隠していた本心に、気づいてくれたんだ。
『は、はあ?』
『あ、赤くなった。かーわいっ』
『可愛い言うな!アホ』
『せっちゃんの一面を知れて嬉しいな』
『無視すんじゃねぇよ!!』
『寂しかった?ごめんね、せっちゃん』
『気持ち悪ぃこと言うんじゃねぇよ』
『正直になりなって。ほんとは寂しいんでしょ?』
口を曲げた俺に、るんちゃんは微笑む。
その日から、るんちゃんは俺の毒を怖がらなくなり、逆に俺をからかってきた。
俺のわかりにくい想いを、るんちゃんはいとも簡単に見破る。
きっと、俺は一生
君には敵わない。