オーロラの歌
反射的に、足を止めた。
振り返って、首を傾げる。
「闘いが終わったら、伝えたいことがある」
いつになく真剣な顔つきの怜司くんに、胸が高鳴った。
伝えたいこと?
それって、何?
怜司くんは私の一段下の段まで、ゆっくりと上ってきた。
「だから、前世みたいに死ぬんじゃねぇぞ」
怜司くんが、熱い視線で私を抱きしめる。
「絶対生きろよ」
「うん」
私は柔らかな笑みを浮かべて、頷いた。
私も、怜司くんに伝えたいことがある。
それに、使命を果たした後で、仲間と幸せな日々を過ごしたい。
だから、誰も死なせない。
全員生きて、明日になったらまた会おう。