オーロラの歌



イービルが、私を容赦なく蔑む。


でも、私がイービルを恐れないのは、背中を預けられる仲間がいるから。



まずは、敵を減らそう。


せっちゃんの洗脳を解いて、仲間を取り戻す。


私はすぅ、と息を吸い込んだ。


イービルからせっちゃんを解放して、自由にしてあげたい。


待っていて、せっちゃん。


今、手を差し伸べてあげるよ。




「♪~~苦手な嘘をついた君に 幸せが舞い込むように~~♪」




歌声に乗せて、想いを運ぶ。


せっちゃんに届け、届け!



「思い通りにはさせないわ」



イービルは恨みを募らせながら、片腕を上げ、グッと拳を握り締める。


そのまま勢いよく下ろされた拳が、地面に当たると。


晴れ晴れとした空に、突如積乱雲が生成された。



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