オーロラの歌



コンクリートの剣は、イービルの脇を横切って。


だんだんと失速していき、扉の前に落ちた。



「琉美ちゃんに、手出しするな」


「……生意気なガキどもめ」



江藤先輩は、イービルをきつく睨みつけた。


下唇を噛みしめたイービルに、利一くんが忍び寄り、イービルを後ろから押さえ込もうとした。



「触らないで……!」


「っ、嫌だ!」



利一くんは、暴れるイービルに屈せずに食い下がる。


三人とも、私が伸び伸びと歌えるように、支えてくれている。


ありがとう、皆。


私、精一杯歌うよ。



両手を合わせて、指を絡めて。


せっちゃんだけを見つめて。


“あいのうた”を奏でよう。




「♪~~もしも笑えなくなって 君が苦しいと叫んだら 星達と共に歌を紡ぐよ~~♪」




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