オーロラの歌




「久賀、大丈夫か!?」


「は、はい……っ」



利一くんは、江藤先輩に体重を半分預けながら立ち上がる。


光の縄を手繰り寄せ、せっちゃんをこちら側に運んだ怜司くんが、魔法を削除した。


イービルの鋭い目が、私を捉える。



「いいわ、その顔」


「っ!」


「もっと見せて。絶望で、醜く潰れた顔を」



イービルが快楽を求めるように、上唇を舐めた。


何もかも、不愉快だ。


これ以上、誰も傷つけさせたくない。


私達の闘志に付いた火が、燦々と燃え上がる。



オーロラが培ってきた希望の花は、まだつぼみのまま。


イービルの闇から搾り取られた、穢れた水ではなく。


愛情を、優しく注ごう。


そうしたら、きっと、ピュアな花が開花する。




「♪~~どうか神様お願いです 輝きを纏う幸せを君へ~~♪」




< 834 / 888 >

この作品をシェア

pagetop