オーロラの歌
もう、いい加減にしてよ。
こんなこと、やめてよ。
私は真剣に話しているというのに、イービルは小さく笑った。
「それで、どうするの?あたしを恨むの?」
イービルの余裕ぶった態度に、苛立ちを覚える。
一度瞼を伏せてから、イービルを澄んだ眼差しで見据えた。
「恨まないし、憎まないよ」
私は決して、闇には堕ちない。
「私はあなたを変えるために、ここにいるんだから」
「変えるなんて、できっこないわ」
イービルは高飛車な口調で、私を卑しめる。
そんなイービルに、怜司くんと江藤先輩と利一くんは顔を険しくさせた。
「あっちの世界で散々能力を使ったくせに、結局あたしを変えられなかったじゃない。今だってそうよ。あたしが、あんたの歌に支配されることはないわ」
「それは……!」
「そもそも、どうしていやしの歌の能力を授けられた者なんかが、国王になれるのかしら。不思議だわ」