オーロラの歌




「あなたが女王で苦しんでいる人も、反対していた人もいたことくらい、知っているでしょう!?」



好き勝手にやった結果、国民の多くがあなたから離れていった。


それなのに、なぜそんな愚劣なことが言えるの?



「そんな奴ら、国民でもなんでもないわ。ただのゴミよ」


「ゴミ……?」


「あたしの下僕になってくれる民だけが、あたしの世界の住人よ」



イービルは、自己中心的なわがままを、ずっと押し通してきたんだ。


自分が良ければそれでいい、と他人を切り捨てる。


……そうか。


こういう人のことを、エゴイストって呼ぶのか。



「なに、それ。そんなの、ひどすぎる」



イービルの幼稚な考え方が、どれだけの人の笑顔を奪ったのだろうか。



「あなたなんか、女王にふさわしくないよ!」


「あっそ。あんたにどう思われようと結構よ」



涙がこみ上げてきた。


これは、なんの感情が詰まった涙なんだろう。



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