オーロラの歌
ねぇ、イービル。
あなたがそんなに想いを拒むのは、想われていたことを知らなかったからなんじゃないの?
愛は光となり、闇を覆う。
あなたはそれが怖くて、気づいていない振りをして、現実を嘘で固めている。
「もう一度歌ってあげる。アンジェラスが、イービルを想って作った歌を」
確かな愛を紡いだ歌を、どうか聴いていて。
目を閉じて、深呼吸をする。
その間に、イービルはいやしの歌を拒絶するように、魔法を使用した。
「レイス・フール!」
「ヘウ゛ン・プルガシオン」
怜司くんがイービルに対抗して、イービルが放った悪霊を打ち払った。
私の瞼が、静かに上がっていく。
「ウッド・ラピス」
「!?」
「これで、雷は操れないな」
江藤先輩が呪文を唱えると、転生魔法を使わせまい、とイービルに木々が絡めつけた。
拘束されたイービルは、悔しそうに歯を噛み締めた。