オーロラの歌
「アンジェラスは、イービルを愛していた。これってつまり、独りじゃなかったってことでしょう?」
イービルはただ、愛し方も愛され方も忘れてしまっただけ。
あたし、知ってるよ。
イービルが本当は後悔していること。
「もう認めちゃいなよ。このゲームは、イービルの完敗だって」
闇に誘われて、光を葬っての繰り返しは、疲れたよね。
執着するのは、やめにしようよ。
ゲームセットで、いいんじゃないかな。
「あたしの、負け……?」
「そうだよ。歌の歌詞、ちゃんと聴いた?」
「え、あ、も、もちろん聴いたわ」
いきなり話題が変わったと思ったイービルは、間抜けな返答をした。
すごく素敵な歌だったなぁ。
“君のそばにいさせて”とか、“世界で一番好き”とか。
アンジェラスの愛で、溢れてる。
「歌から、『イービルを愛してるよ』って想いが伝わってきたでしょ?」
「伝わってきたわ」
「どうだった?」
「なぜか、泣きたくなったの」