オーロラの歌
「……ん」
「あ、六沢、大丈夫か?」
琉美のいとこの六沢先輩が起きたのと。
「唯夏ちゃん!?」
「利一……」
久賀の幼なじみの雛森が瞼を開けたのは、ほとんど同時だった。
意識不明だった二人が目を覚まし、安堵の空気が流れた。
琉美はいやしの歌を終了させ、笑みを漏らした。
「二人とも、よか……」
ふらつく琉美に一番に気づいた雛森は、息を呑み、おぼろげに手を伸ばす。
「る、琉美先輩!!」
――琉美が倒れたのは、この場に光が満ちた瞬間だった。
俺は、うまく状況を理解できず、数秒間動けなかった。
『オーロラ、死ぬなよ。俺はまだ、お前のそばにいたい』
ここにいた全員が、オーロラの死を想起させていた。