オーロラの歌
我に返って琉美に駆け寄った時には既に、琉美は息をしていなかった。
ゾワリ、と例えようのない恐怖が、俺をえぐった。
「琉美、ちゃん……?」
「起きてください、琉美先輩!」
江藤先輩と久賀が、琉美の冷えた体に触れた。
なんなんだよ、これは。
まるで………。
それ以上先のことを考えたくなくて、目を瞑りたくなった。
「起きろよ、琉美」
お願いだよ。
どうせ、これはタチの悪い冗談なんだろ?
俺達を、怖がらせんなよ。
「なあ、琉美!」
俺がどれだけ声をかけても、体を揺すっても、琉美はピクリとも反応してくれない。
心臓が、いやに震えていた。