オーロラの歌
仕方ない、と自分に言い聞かせながら。
どうしようもなく、憧れた。
私とは違う、“普通”の子に。
“普通”に遊んで、“普通”に動き回って。
“普通”にはしゃいで、“普通”に過ごして。
周りは皆持っていた“普通”が、私も欲しかった。
『特別扱い、嫌なのか?』
『うん。皆を頼って、迷惑かけてばかりいるのが当然だって、思いたくないの』
思いやりを受け取るごとに、私の存在が面倒だと思われていないか、悩むようになった。
寂しさと不満が、胸の中に積もっていった。
不平等な当たり前を投げ捨てて、頼りっぱなしな今を壊して。
新しい日々を築きあげたい。
『だったら、元気になった時に誰かを支える立場になればいいじゃん』
せっちゃんは、思いつきでそう言ってくれたのかもしれないけれど。
その助言は、どうしたらいいかわからずにさまよっていた私の心を、明るく照らしてくれた。