オーロラの歌
幼かった私が見つけた夢は、時を経ても、しぼまずに育っていった。
成長していくにつれ、体調が安定していき。
高校に上がって、ついに、私の一部となった夢を叶えられる日がやってきた。
毎日が楽しかった。
特別扱いされなくて、周りから頼られて。
親友と呼べる友達もできて。
私の存在意義を、教えてもらっているようだった。
運動することはまだ苦手なままだけど、まっさらな当然が新たに染み付いていって。
幼い自分が溶けていくように感じた。
このまま、平凡で平和な日常が続けばいいな。
そう、祈っていた。
しかし、私の祈りは神様には届かなかったらしい。
前世の記憶と能力を受け継いだあの日、私はまた“普通”ではなくなった。
支えられる立場に戻りたくない気持ちと、誰かを支えたい気持ちが、消えることはなかった。
むしろ気持ちは膨らんで、対極に位置する二つの気持ちの間隙で葛藤した。
仲間を、守りたかった。
幾度となく傷ついても、仲間の明日を喪失させたくなかった。